時計の長針は短針をその頂点で追い越した
仕事場で課せられていた拘束はやっと解かれた
精神の疲労が身体をも蝕む
足取りは重たい
静寂が包み込む黒色のアスファルト
我が帰途に喧騒はなく寂寥だけが満ちている
普段は煩わしく鬱陶しいエンジン音さえ
聞こえないことに落胆する
我が家の扉が開かれる
無人の暗闇に歓迎される
疲れた心を癒すものもなく
あるのは空の冷蔵庫
部屋隅にあるゴミ箱は
レトルト食品の空き箱が埋める
ベッドに眠る瞼の内には
多忙な未来が映しだされ
寸時の先に安眠を待とうとも
刻む時の音が鼓膜を叩き
焦燥感を掻き立てる
遥か未来の安穏たる時を夢見ようとも
目覚めの時は哀感と共に訪れる